今年も報恩講の季節が巡ってきました。報恩講とは聖人のご恩に感謝する中で、改めて真実のみ教えを聞き開き、共にお念仏を慶ぶ法要で、門徒にとって一年で最も大切な行事です。しっかりとお勤めいたしましょう。
今年のご講師は奈良・吉野の和氣秀剛先生です。下記プロフィールの通りお若い先生ですが、しっかりと研鑽を積まれ、布教使として各地でご活躍です。なんと先日まではブラジルで布教をされてきたとのことです。
そんな和氣先生にこの度は「御絵伝」を題材にしたお話を頂きます。御絵伝とは親鸞聖人の御生涯を描いた絵巻物のことです。毎年報恩講で余間にかけていますので、ご覧になったことがあると思います。聖人の幼少から御往生までの様々なエピソードが全4幅に渡り描かれていて、順番に読み解いていけば聖人の一生涯とその御心が頂ける仕組みになっています。
とは言え現代の私たちが見ても内容をすぐに理解するのは困難です。そこで今回は御絵伝のいくつかのシーンを取り出して、それを先生にご解説いただきます。経典の世界や高僧伝の絵を紐解きながら仏法を語るのは「絵解き」と言って古くからある説法の手法ですが、和氣先生はパソコンで絵を再編集し、それをプロジェクターで大写しにしながらお話してくださいます。
実は去年、堅田本福寺さんの報恩講で先生の絵解き法話を拝聴(拝見)したのですが、編集によって絵の中で登場人物を動かしたり、雨を降らせたりして、平面的な日本画に立体的なユーモアを加え、最後まで見ている人を飽きさせませんでした。また単に絵の説明をするだけでなく、その時々の親鸞聖人や周囲の人々の心情を細やかに読み取られ、優しく語りきかせてくださいましたので、遠い昔のお話であるのに、あたかも自分もその絵の中にいるような、親鸞聖人が間近におられるような、そんな感覚を持ちながら伺うことができました。
兎にも角にもお一人でも多くの方にお聞きいただきたいご法話です。是非ともご家族ご近所お誘い合わせの上、挙って御参拝くださいませ。
【法要日時】
10/29(土)14:00、19:00
10/30(日)7:00、10:00、13:30
【ご講師】
和氣秀剛(わけしゅうごう)師
(奈良県圓光寺住職/本願寺派布教使)
【和氣秀剛(わけしゅうごう)師】1978年、カナダ国マニトバ州ウィニペグ市生れ。1984年帰国。龍谷大学を卒業し、現在奈良県五條市西吉野町の圓光寺の住職を務める。本願寺派布教使として各地で布教を行う他、特別法務員として得度・教師教習所期間中の指導員も務める。