先日ご門徒の役員の皆さんにお集まりいただき、報恩講についてもろもろ打ち合わせを行いました。写真はその時の様子です。
それぞれに例年の事を思い出しながら、今年の報恩講がよりよいものになるよう知恵を出し合っていただきました。
日時等、ご案内は「おしらせ」ページに掲載しましたので、そちらを御覧ください。
ここには報恩講を迎えるにあたって私がいつも思うことを書かせていただきます。
報恩講とは、生涯をがけて私達にお念仏のみ教えをお示し下さった宗祖・親鸞聖人への感謝の心から勤められる法要で、門徒にとって一年で最も大切な行事です。本山・西本願寺では「御正忌報恩講」として毎年1月9日から聖人の祥月命日である16日まで8日間に渡り勤められますが、全国の一般寺院やご門徒の各家庭では、大体、秋の収穫が終わる頃から冬が始まるまでの間に勤めることになっています。これは、門徒たるものは皆、一月は京都に上がって本山の報恩講にお参りさせていただくものであるから、各々の報恩講はそれまでに済ませておくべし、との考えから来た習わしであると聞いています。
ですから、この時期日本全国を見渡せば、必ず毎週どこかで報恩講が勤められているはずです。きっと壽命寺で報恩講を勤めているその同時刻に、同じようにして勤められている報恩講もあることでしょう。一つ一つの報恩講は地域のささやかな行事に過ぎないかもしれません。でもそれらが親鸞聖人への報恩という同じ心の元、全国各地で(あるいは海外でも)同時多発的に行われている営みであるということから見れば、これは西洋のクリスマスに匹敵するような、一大宗教イベントとしての様相を呈してきます。
このことを思う時、私は大小様々な模様の布が縫い合わされた大きなパッチワークをイメージします。それぞれのお寺やご家庭の報恩講は一枚の布です。そしてそれが親鸞聖人への感謝の気持ちという一本の糸で縫い合わされて、大きくて味わい深い柄をもった一枚の布となるのです。お正月の頃、その真ん中にはまだ大きなスペースが残っていますが、そこには本山御正忌報恩講の布が収まる寸法というわけです。
どうでしょう?こんな風に考えるとワクワクしてくるのは私だけでしょうか。これから迎える報恩講は、日本全国にとどまらず、世界各地の御同朋・御同行(おんどうぼう・おんどうぎょう)と連なる集いであるというイメージをもって、心をこめて賑々しく勤めさせていただきましょう。「おしらせ」ページにご案内の通りとり行いますので、皆様お誘い合わせの上、是非ともお参りください。